この記事のポイント
- 家系図とは、先祖から現在にいたる血縁関係を図式化したもので、相続や終活の場面で活用される重要な資料である
- 家系図の作成には戸籍謄本の収集が必要で、費用・期間・方法によって複数の選択肢がある
- 終活における家系図の整備は、遺産相続の手続きをスムーズにし、家族への大切な記録を残すことにつながる
家系図(かけいず)とは、自分の先祖や子孫との血縁関係を、樹形図や表形式で視覚的に整理した図のことである。結婚・出生・死亡などの情報をもとに、何代にもわたる親族の繋がりを一覧できるようにまとめたものであり、終活・相続・ルーツ探しなど、幅広い目的で作成される。
家系図の基本と作成のしくみ
家系図に記載される情報
家系図には、氏名・生没年・続柄・婚姻関係などが記載される。一般的には「自分を起点に何代さかのぼるか」を決めて作成する。代数が増えるほど、収集が必要な戸籍の数も増える。
記載する情報の範囲は目的によって異なる。相続手続きのために作る場合は、血族の範囲を法定相続人の確認に必要な範囲で整理することが多い。ルーツ探しや記念品として作る場合は、江戸時代までさかのぼる詳細なものになることもある。
家系図の作成方法
家系図を作成するには、主に以下の3つの方法がある。
- 自分で戸籍謄本を集めて手書きまたはパソコンで作成する
- 行政書士や司法書士などの専門家に依頼して作成してもらう
- 家系図作成の専門業者・サービスを利用して作成する
自分で作成する場合は費用を抑えられるが、複数の市区町村から戸籍を取り寄せる手間がかかる。専門家や業者に依頼する場合は、費用は発生するが正確で見栄えのよい家系図が完成する。
戸籍謄本の収集について
家系図の作成には、出生・婚姻・死亡などを証明する戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本の収集が必要となる。明治時代以降の戸籍は役所で取得が可能である。ただし、戸籍の保存期間の制限により、それ以前の記録が残っていない場合もある。
本人や直系親族であれば戸籍の取り寄せが可能だが、代数が増えると数十通になることも珍しくない。1通あたり450〜750円程度の手数料がかかるため、事前に必要な通数を見積もっておくとよい。
家系図と終活・相続における役割
終活での活用
終活において家系図を作成・整備しておくことは、残された家族への大きな贈り物となる。親族関係が一覧できると、葬儀の連絡先の整理や、遺産に関する手続きがスムーズに進む。エンディングノートと合わせて保管しておくと、家族が困ったときに参照しやすい。
相続手続きとの関係
相続が発生した際には、法定相続人を正確に把握することが不可欠である。家系図があると、相続人の範囲・順位・人数を視覚的に確認でき、遺産分割協議の準備にも役立つ。特に、疎遠な親族や異母きょうだいが存在するケースでは、家系図の整備が混乱を防ぐ。
家系図の作成にかかる費用と注意点
費用の目安
家系図の作成にかかる費用は、方法によって大きく異なる。
- 自作の場合:戸籍取得費用のみで数千円〜数万円程度
- 行政書士・司法書士への依頼:3万円〜10万円程度(代数・通数による)
- 専門業者への依頼:5万円〜30万円以上(巻物・額装など仕上がりによって異なる)
費用は先祖をさかのぼる代数と、最終的な仕上げのかたちによって大きく変わる。まず目的を明確にしてから作成方法を選ぶことが重要だ。
作成時の注意点
家系図の作成において、以下の点に注意が必要である。
- 個人情報が多く含まれるため、取り扱いと保管場所に十分注意する
- 戸籍に記録されていない養子縁組や非嫡出子の情報が、関係者に知られる場合がある
- 相続目的の場合は法律の専門家(行政書士・司法書士・弁護士)に相談するのが安心である
- 代数が多いほど取得できる戸籍の限界に達することがあり、完全な家系図が作れない場合もある
関連する用語
家系図に関連する用語としては、法定相続人の範囲を理解するうえで重要な「血族」、相続の際に必要となる遺留分、終活の記録ツールである「エンディングノート」などがある。また、相続人が集まって話し合いを行う「遺産分割協議」も、家系図の整備と深く関連する手続きである。

