導師(どうし)とは、葬儀や法要において読経・引導・焼香などの儀式全体を主導する僧侶(または宗教者)のことを指す。仏教の葬儀では、故人の魂をあの世へ送り届けるための「引導を渡す」役割を担う。導師は単に読経を行うだけでなく、儀礼全体の進行を統括する中心的な存在である。
この記事のポイント
- 導師とは、葬儀において読経や儀式を取り仕切る僧侶(または聖職者)のことで、故人を成仏へ導く役割を担う。
- 導師へのお礼は「お布施」として渡すのが慣習であり、金額は宗派や地域によって異なる。
- 導師を依頼する方法や、檀家でない場合の対処法を事前に把握しておくと、葬儀の準備がスムーズに進む。
導師の役割と葬儀での働き
葬儀における導師の主な役割
導師は、葬儀の宗教的な側面すべてを取り仕切る。通夜から告別式、火葬に至るまで、各場面で読経や法話を行い、儀式の流れを導く。
図:導師へのお布施・費用の内訳目安
| 項目 | 依頼先・区分 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 通夜・葬儀一式のお布施 | 菩提寺・紹介された寺院 | 15万円〜50万円程度 | 宗派・地域・葬儀規模により異なる |
| 戒名料 | 菩提寺・紹介された寺院 | 数万円〜100万円以上 | 戒名のランクにより大きく変わる |
| 僧侶派遣サービス | インターネット経由 | 3万円〜10万円程度 | 定額制が多い |
お布施を渡す際のポイント
- 白い無地の封筒または奉書紙に包む
- 袱紗(ふくさ)に包んで持参する
- 渡すタイミングは葬儀当日の開式前か、終了後に施主が直接手渡す
- 金額は事前に菩提寺や葬儀社に確認しておくと安心
※金額はあくまでも目安であり、宗派・地域・葬儀の規模によって大きく異なる。
具体的な役割は以下のとおりである。
葬儀全体の流れを宗教的に支える存在として、導師の役割はきわめて重要である。
図:導師がすること
読経など、葬儀や法要の儀式を中心になって進める
亡くなった方を仏の道へ導く(宗派によって考え方が違う)
複数の僧侶が来るときは、ほかの僧侶をまとめる
※コトバンク「導師」(日本大百科全書・葬儀辞典ほか)をもとに作成。
葬儀の中での導師の出番
戒名の授与も導師が行うことがあります(宗派によって違います)。
「引導を渡す」とはどういう意味か
導師が行う儀式のなかで特に重要なのが「引導を渡す」行為である。これは故人を迷いのない状態で浄土へと導くための宗教的な宣告であり、仏教葬儀の核心をなす行為とされている。
引導の作法は宗派によって異なり、禅宗では導師が法語(ほうご)を読み上げる形式が一般的である。浄土宗や浄土真宗では「引導」という概念そのものが異なる解釈をもつ場合もある。
正導師と脇導師の違い
大規模な葬儀や寺院葬では、導師が複数配置されることがある。この場合、儀式を主導する僧侶を「正導師(せいどうし)」、補佐を務める僧侶を「脇導師(わきどうし)」または「陪席(ばいせき)」と呼ぶ。
一般的な家族葬や一般葬では、導師は1名であることがほとんどである。寺院葬や格式を重んじる葬儀の場合に限り、複数の僧侶が参列するケースがある。
正導師と脇導師
大規模な葬儀や寺院葬では、導師が複数になることがあります。家族葬や一般葬では1名がほとんどです。
導師を依頼する方法と費用の目安
導師の依頼先
導師の依頼先は、故人や遺族の宗教的な背景によって異なる。主な依頼先は以下のとおりである。
- 菩提寺(ぼだいじ)の僧侶:最も一般的な依頼先。先祖代々のお墓がある寺院に依頼する
- 葬儀社経由の紹介:檀家でない場合、葬儀社が提携する寺院を紹介してくれる
- 僧侶派遣サービス:インターネットを通じて僧侶を手配できるサービスもある
菩提寺がある場合は、まず寺院へ連絡することが優先される。菩提寺がない場合は、葬儀社に相談すると適切な対応策を提示してもらえる。
導師の主な依頼先
菩提寺
先祖代々のお墓がある寺院。あれば最初に連絡
いちばん先に
葬儀社の紹介
檀家でない場合、提携の寺院を紹介してもらえる
僧侶派遣サービス
インターネットで僧侶を手配できるサービスもある
導師へのお布施の相場
導師に対するお礼はお布施として渡す。お布施の金額は宗派・地域・葬儀の規模によって大きく異なる。あくまでも目安として、以下の範囲が参考になる。
- 通夜・葬儀一式のお布施:15万円〜50万円程度
- 戒名料(戒名のランクによる):数万円〜100万円以上
- 僧侶派遣サービスの場合:3万円〜10万円程度(定額制が多い)
お布施は「感謝の気持ちを包む」ものであり、あらかじめ菩提寺や葬儀社に相場を確認しておくと安心である。渡すタイミングは、葬儀当日の開式前か、終了後に施主が直接手渡すのが一般的な作法である。
導師を依頼する際の注意点
導師の依頼にあたっては、いくつかの点に注意が必要である。
- 菩提寺への連絡は、逝去後できるだけ早く行う
- 宗派が異なる僧侶に依頼すると、菩提寺での納骨を断られる場合がある
- 僧侶派遣サービスを利用する場合は、菩提寺との関係を事前に確認する
- 家族葬や一日葬でも、導師への依頼は必要になることがある
特に、菩提寺がある場合に無断で別の僧侶を依頼するとトラブルになりやすい。事前の確認と相談が欠かせない。
図:導師を頼む前に確かめること
- ☐ 菩提寺(付き合いのあるお寺)があるか。あれば最初に連絡する
- ☐ 戒名をどうするか(付ける・付けない、位号など)
- ☐ お布施の額。分からなければ率直に聞いてよい
- ☐ 通夜・葬儀・初七日など、どこまでお願いするか
- ☐ 菩提寺がなければ、葬儀社に僧侶の手配を相談する
仏教以外の導師的な存在
「導師」という言葉は仏教葬儀に用いられる用語だが、他の宗教にも儀式を主導する宗教者が存在する。神道の葬儀(神葬祭)では「神職(しんしょく)」が、キリスト教の葬儀(教会葬)では「神父」または「牧師」がその役割を担う。それぞれの宗教・宗派に沿った形で、故人を送り出す儀式が執り行われる。
お寺との付き合いに迷ったら
菩提寺があるのに、別の僧侶に葬儀をお願いすると、あとで納骨のときにお寺との間で話がこじれることがあります。お寺との付き合いを続けるか迷っているときも、まずは菩提寺に相談するのが筋です。
お寺との付き合いをやめてお墓をしまう場合は、離檀や墓じまいの話になります。費用の考え方は「墓じまいの見積もりは「運搬・重機・更地」で比べる」で解説しています。
現場の担当者から
最近は、お寺との関係に悩みを抱えるご遺族もいるように感じます。お布施のこと、お寺との付き合いをやめたい、お墓をなくしたい、今回の葬儀を最後にお寺から離れたい、といったご相談を受けることも多くなりました。
関連する用語
導師と深く関わる用語として、まず「お布施」がある。また、導師が授ける「戒名」や、儀式が行われる「祭壇」も関連が深い。さらに、葬儀後の法要である「四十九日」や「一周忌」でも導師への依頼が必要になるため、合わせて確認しておくとよい。
RELATED
葬儀の費用が気になる方へ。実際の総額は、プランの種類と、斎場が公営か民営かで大きく変わります。
PR
葬儀の費用とプランを、先に確かめておきたい方へ。ソファミは、直葬・火葬式・1日葬・家族葬のプランを全国一律の価格で用意しています。事前に資料請求をした方は、葬儀代金が最大10万円引きになります(広告主の案内による・2026年10月時点)。
よくある質問
ほかの葬儀・終活の言葉は葬儀・終活用語集にまとめています。

