この記事のポイント
- 火葬とは、遺体を高温で焼いて骨にする葬送方法で、日本ではほぼ100%の普及率を誇る。
- 火葬の流れや所要時間、費用の目安を知ることで、葬儀の準備をスムーズに進められる。
- 火葬許可証の取得や収骨のマナーなど、知っておくべき手続きと注意点を解説する。
火葬の意味と流れ
火葬が行われるまでの流れ
火葬は、葬儀・告別式のあとに行われる。一般的な流れは以下のとおりである。
- 死亡診断書をもとに、市区町村役場で「火葬許可証」を取得する。
- 葬儀・告別式を終えたのち、遺体を火葬場へ搬送する。
- 炉前で最後のお別れをし、点火する。
- 火葬終了後、遺族が収骨(骨上げ)を行う。
- 火葬場から「埋葬許可証」を受け取り、納骨の際に使用する。
火葬許可証は葬儀社が代行取得するケースが多い。手続きの流れを事前に把握しておくと安心できる。
火葬にかかる時間
火葬の炉内での燃焼時間は、おおむね1時間〜1時間30分が目安である。その後、骨を冷ます時間が必要なため、収骨まで合計で1時間30分〜2時間程度かかることが多い。
火葬中は控え室で待機するのが一般的である。施設によっては飲食の提供があり、精進落としをこの場で行う地域もある。
収骨(骨上げ)のマナー
収骨とは、焼き上がった骨を骨壺に納める儀式である。二人一組で箸を使って骨を拾い上げるのが慣例で、足元から順に上半身へと拾い進め、最後に喉仏(のどぼとけ)を納める。
この作業は地域によって作法が異なる場合がある。東日本では全骨収骨(すべての骨を納める)が主流で、西日本では部分収骨が一般的である。遺骨の扱いについては、その後の納骨や供養の方法にも関わるため、事前に家族で話し合っておくとよい。
火葬の費用と注意点
火葬にかかる費用の目安
火葬の費用は、公営火葬場と民営火葬場で大きく異なる。目安は以下のとおりである。
- 公営火葬場(市区町村営):住民は無料〜数万円程度、市外の方は割増になる場合がある。
- 民営火葬場:5万円〜20万円程度が相場で、地域や設備によって差がある。
- 炉の種類(特別室・一般室など)によって料金が異なる施設もある。
葬儀社が火葬場の手配を含むプランを提供しているケースが多い。費用の内訳を事前に確認することが重要である。
火葬前後の注意点
火葬の際には、棺の中に入れてはいけないものがある。燃えにくいもの・爆発の危険があるものは炉を傷める原因となるため、以下のものは原則として副葬品にできない。
- ガラス製品・金属製品(眼鏡、腕時計など)
- 爆発物・発火物(ライター、スプレー缶など)
- 厚みのある書籍や大量の紙類
- 果物や大きな食べ物(水分が多く燃えにくいため)
副葬品についての判断は葬儀社や火葬場のスタッフに相談するのが確実である。なお、遺影を棺に入れる場合は、施設のルールを事前に確認するとよい。
死後の手続きにおける火葬の位置づけ
火葬は、法律上も重要な手続きの一つである。日本では「墓地、埋葬等に関する法律」により、死亡後24時間を経過しなければ火葬できないと定められている。また、火葬後に受け取る埋葬許可証は、納骨の際に墓地へ提出する必要がある書類であるため、紛失しないよう保管することが大切だ。
関連する用語
火葬と合わせて知っておきたい用語として、遺体を葬儀まで保管する「安置」や、骨の一部をペンダントに納める「遺骨ペンダント」がある。また、火葬後の供養として「永代供養」を選ぶ方も増えている。さらに、火葬の形式と密接に関わる葬儀の種類として「一日葬」や「一般葬」、墓を移す際に再度火葬場を利用することがある「改葬」も関連が深い用語である。
