この記事のポイント
- 法事とは、故人を供養するために行う仏教的な儀式の総称であり、葬儀後も定められた節目ごとに執り行われる。
- 法事には四十九日・一周忌・三回忌など決まった時期があり、それぞれに意味と作法がある。
- 費用・お布施・参列者への対応など、事前に把握しておくべき実務的な知識が多い。
法事の意味と種類
法事が行われる目的
仏教の考えでは、人は亡くなった後も一定期間、この世と彼岸のあいだをさまよう存在とされる。法事は、遺族が故人の成仏と安らかな往生を願い、功徳を積む行為である。同時に、親族や縁者が集まり、故人の思い出を語り合う大切な場でもある。
忌日法要(きにちほうよう)
死後7日ごとに行われる法要を「忌日法要」という。初七日(しょなのか)から始まり、二七日(ふたなのか)、三七日、四七日、五七日(三十五日)、六七日、七七日(四十九日)まで続く。現在は初七日を葬儀当日に繰り上げて行うケースが多い。四十九日をもって忌明けとなり、遺族の服喪期間が終わる節目とされる。
年忌法要(ねんきほうよう)
年忌法要は、命日の周年ごとに行う法事である。主な年忌の種類は以下のとおりである。
- 一周忌:没後満1年目(最初の年忌)
- 三回忌:没後満2年目(数え方に注意)
- 七回忌:没後満6年目
- 十三回忌:没後満12年目
- 十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌と続く
- 三十三回忌または五十回忌をもって「弔い上げ」とし、年忌法要を終える
「三回忌」は、没後2年目に行うにもかかわらず「三」と呼ぶのは、亡くなった年を1年目と数えるためである。この数え方は年忌法要全体に共通するので、混乱しないよう注意が必要だ。
法事の一般的な流れ
法事の当日は、以下の流れで進むことが多い。
- 参列者が集合し、僧侶を迎える
- 読経・焼香を行う
- 僧侶による法話(ほうわ)がある場合もある
- 墓参りを行う(納骨がまだの場合はこの際に行うこともある)
- 会食(お斎)で故人を偲ぶ
法事の場所は、自宅・寺院・斎場・ホテルなどさまざまである。最近は参列者の負担を減らすため、会場を一か所にまとめてコンパクトに行うケースも増えている。
法事にかかる費用と時期の目安
お布施の目安
法事で僧侶に渡すお布施の金額は、法要の種類や地域・宗派によって異なる。一般的な目安は以下のとおりである。
- 四十九日法要:3万〜5万円程度
- 一周忌・三回忌:1万〜5万円程度
- 七回忌以降:1万〜3万円程度
お布施とは別に、お車代(5,000円〜1万円)やお膳料(5,000円〜1万円)を用意するのが一般的なマナーである。金額に迷う場合は、菩提寺に直接相談するのが最も確実な方法だ。
会食・返礼品の費用
会食(お斎)の費用は、一人あたり3,000円〜1万円程度が目安となる。また、参列者への返礼品(引き出物)として、3,000円〜5,000円程度の品物を用意するのが一般的である。法事全体の費用は、規模や地域によって大きく変わるため、早めに見積もりを取ることが重要だ。
法事の日程を決める際の注意点
法事は命日当日、または命日より前に行うのが原則とされている。後ろにずらすことは故人への礼を欠くとされるため、参列者の都合を早めに確認し、余裕をもって日程を設定することが大切である。また、法事の案内状は少なくとも1か月前には送付するのが望ましい。
法事に関連する用語
法事を理解するうえで関連が深い用語として、読経後に行う法要、故人の命日ごとに行う月命日の供養、先祖を迎える行事であるお盆、故人の霊位を祀る位牌、そして法事の場で立てることのある塔婆などがある。これらは法事の準備や当日の作法に直接関わるため、あわせて確認しておくとよい。

