この記事のポイント
- 古物商許可とは、中古品の売買・交換を業として行うために必要な公安委員会の許可のこと。
- 遺品整理業者や形見分け品の買取業者が許可を取得していない場合、違法取引になるリスクがある。
- 終活・相続に関わる遺品の処分を依頼する際は、業者の許可証の有無を必ず確認することが重要。
古物商許可の基本的な知識
古物商許可が必要な理由
古物商許可制度は、盗品の流通防止と被害回復を主な目的として設けられています。中古品の流通ルートを行政が把握することで、盗難品が売買市場に紛れ込むのを防ぐ仕組みです。
この許可がなければ、中古品の売買を「業として」行うことはできません。個人間の単発の売買は対象外ですが、継続・反復して利益を得る目的で行う場合は業とみなされます。
古物の定義と13品目
古物営業法では、古物を以下の13品目に分類しています。
- 美術品類(絵画、骨董品など)
- 衣類
- 時計・宝飾品類
- 自動車
- 自動二輪車・原動機付自転車
- 自転車類
- 写真機類
- 事務機器類
- 機械工具類
- 道具類(家具・楽器・運動用具など)
- 皮革・ゴム製品類
- 書籍
- 金券類(商品券・乗車券など)
遺品整理の現場で出てくる家具・家電・貴金属・衣類・書籍などは、ほぼすべてこの分類に含まれます。これらを買い取って転売する場合、古物商許可は必須です。
許可の取得先と申請の流れ
古物商許可は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は所轄警察署)に申請します。主な流れは以下のとおりです。
- 必要書類(住民票・身分証明書・誓約書など)を準備する
- 所轄警察署の生活安全課に申請書を提出する
- 審査期間(標準処理期間は約40日)を経て許可・不許可の決定が下る
- 許可後に許可証が交付され、営業を開始できる
申請手数料は1万9,000円(2024年時点)です。許可を受けた業者は「古物商許可証」を営業所に掲示する義務があります。
終活・遺品整理での注意点とメリット・デメリット
依頼者側が注意すべきポイント
終活や相続の場面で遺品の整理・処分を業者に依頼する際、古物商許可の有無は必ず確認すべき事項です。許可のない業者に買取を依頼すると、違法取引に加担したとみなされる恐れがあります。
確認方法は簡単で、業者のウェブサイトや名刺・見積書に記載されている「古物商許可番号」を見れば判断できます。番号が記載されていない業者には、依頼前に必ず問い合わせてください。
古物商許可を持つ業者に依頼するメリット
- 中古品の買取・転売が合法的に行われるため、安心して依頼できる
- 許可業者は取引記録の保存義務があり、万が一のトラブル時に追跡が可能
- 行政の監督下にあるため、悪質な低価格査定などの被害を受けにくい
- 遺品の価値が正当に評価され、適正な買取価格が期待できる
許可を持たない業者への依頼リスク
- 古物営業法違反の取引となり、業者が刑事罰(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)を受ける可能性がある
- 買い取られた遺品の行き先が不透明になり、不正流通に利用されるリスクがある
- トラブル発生時に行政への申告や追跡が困難になる
古物商許可だけでは不十分なケース
遺品の「処分・廃棄」を伴う場合は、古物商許可とは別に一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。買取(古物商)と廃棄(廃棄物処理)は異なる法律で規制されています。
遺品整理業者を選ぶ際は、この2つの許可を両方持っているかどうかを確認することが、安全な依頼につながります。
関連する用語
古物商許可と深く関わる用語として、まず「遺品整理」があります。遺品整理業者が買取を行う際には古物商許可が必須です。また、形見分けの際に残った品物を業者に売却・換金する場面でもこの許可が関係します。遺品の換金や分配は遺産の整理とも連動するため、遺産分割協議の進行に合わせて計画的に進めることが重要です。さらに、生前整理を行う際に不用品を売却する場合にも、依頼先業者の許可確認が必要になります。
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