「屋根が浮いています」と言われたら|点検商法の相談は今も増え続けている

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「屋根が浮いています」「このままだと雨漏りします」。突然の訪問でそう言われると、誰でも不安になります。ですが、これは特別なことではありません。今、日本中で同じことが起きています。

まずは落ち着いて、何が起きているのかを知ることから始めましょう。焦って契約する必要はありません。

相談者

この前、知らない業者さんが来て「屋根が浮いていますよ、今のうちに直さないと危ないですよ」と言われました。うちだけ狙われたのかと思うと怖くて、夜も眠れませんでした。

目次

誤解その1|「うちだけ狙われた」は事実と違う

「自分の家だけ狙われた」と感じる方が多いのですが、実際には全国で同じ手口の相談が急増しています。国民生活センターの「訪問販売によるリフォーム工事の点検商法」のページによると、点検商法に関する消費生活相談件数は、2023年が12,550件、2024年が19,249件、2025年が19,696件と報告されています(国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事の点検商法」2026年7月31日更新)。

一方で、訪問販売型のリフォーム工事そのものの相談件数は、2023年11,879件、2024年9,839件、2025年5,544件と減少しています(同資料)。手口の主流が、リフォーム工事そのものの勧誘から、点検を口実にした勧誘へと移っていることがうかがえます。

誤解その2|「点検商法は高齢者だけの問題」ではない

点検商法は高齢者だけの問題だと思われがちですが、消費者庁の資料では、点検商法に関する消費生活相談件数のうち高齢者が全体の6割以上を占めるとされています(消費者庁「令和5年版消費者白書」第1部第2章第2節(2)高齢者の消費者トラブル)。

つまり、6割以上ではあっても、残りは高齢者以外の相談だということです。

また同資料では、住宅工事に関する相談のうち「屋根工事」では高齢者の相談件数が全体の6割以上を占めるとも記されています。屋根や給湯器といった、日常では目にしにくい設備が狙われやすいのは、確認しづらいからだと考えられます。

点検商法の相談件数の増加と、訪問販売型リフォームの相談件数の減少を比較した図

なぜ給湯器の点検が急増しているのか|手口の構造

国民生活センターは2024年2月21日、「給湯器の点検商法に関する相談が70歳以上の高齢者を中心にトラブルとなっている」と発表しました(国民生活センター2024年2月21日公表資料)。

相談件数は年々増加しており、2018年度206件、2019年度241件、2020年度245件、2021年度335件、2022年度561件、2023年度は12月31日までの受付分で1,099件に達しています(同資料)。

相談者の年代を見ると、7割以上が70歳以上だと報告されています(同資料)。

具体的な相談事例としては、「点検に来た業者に、給湯器から水漏れしているので今すぐ交換が必要だと言われた」「不安をあおられて契約してしまった」といった内容が挙げられています(同資料)。

同資料では、この種のトラブルの防止のため、点検商法という手口自体を広く周知することを目的として発表を行ったとしています。

また消費者庁の資料では、点検を口実にした勧誘のほかにも、「次々販売」と呼ばれる手口があるとされています。一人の消費者に商品やサービスを次々と契約させるもので、次々販売に関する相談は高齢者が全体の約半数を占めるとされています(消費者庁「令和5年版消費者白書」)。

点検商法は、一度の契約で終わらず、繰り返し勧誘される構造とセットで語られることが多いのです。

運営者:Akiko.O

その場で決めない、が現場の鉄則
私が現場で見てきた限りでは、「今日中に決めてほしい」と急かされる話ほど、いったん保留にしたほうがいいことが多いです。本当に必要な工事なら、翌日でも来週でも、状況は変わりません。まずは家族や第三者に相談する時間を作ることをおすすめします。

今すぐできること|契約前に踏む3つの手順

国民生活センターの資料では、突然訪問してきた事業者にはインターホン越しで対応し、その場で契約せず持ち帰って検討することが勧められています(国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事の点検商法」)。屋根や床下など、自分の目で確かめにくい場所を指摘された場合は、なおさら慎重な対応が必要です。

また、複数の事業者から見積もりを取り、内容を比較することも有効だとされています。契約書に署名する前に、工事内容と金額を書面で確認し、その場で判断しないことが大切です。

不安を感じたときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談する方法があります(国民生活センター資料)。契約してしまった後でも、クーリング・オフができる場合があるため、契約日や事業者名、工事内容を記録しておくことが勧められています(同資料)。

  • その場で契約せず、一度持ち帰って検討する
  • 複数の事業者から見積もりを取る
  • 契約書・見積書・事業者名を必ず保管する
  • 不安があれば消費者ホットライン188に相談する
訪問販売の勧誘を受けたときに踏むべき手順を示した図

よくある質問

点検商法とはどのような手口ですか。

国民生活センターの資料によると、事業者が「点検に来た」と言って訪問し、「工事をしないと危険」などと言って商品やサービスを契約させる手口だとされています。屋根、給湯器、床下など、確認しづらい箇所を指摘されるケースが多く報告されています。

点検商法の相談件数は増えていますか。

国民生活センターの資料では、点検商法に関する相談件数は2023年12,550件、2024年19,249件、2025年19,696件と推移しており、増加傾向が続いています(国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事の点検商法」2026年7月31日更新)。

給湯器の点検商法はなぜ増えているのですか。

国民生活センターは2024年2月21日、給湯器の点検商法に関するトラブルが70歳以上の高齢者を中心に増加していると発表しました。相談件数は2018年度206件から2023年度(12月31日時点)1,099件まで増えており、うち7割以上が70歳以上の相談者だとされています。

その場で契約してしまった場合はどうすればよいですか。

国民生活センターの資料では、契約後でもクーリング・オフができる場合があるとされています。契約書や見積書、事業者名、工事内容を記録しておき、不安があれば消費者ホットライン188に相談することが勧められています。

高齢者以外は狙われないのですか。

消費者庁の資料では、点検商法に関する相談のうち高齢者が全体の6割以上を占めるとされていますが、それ以外の年代の相談も一定数あります。年齢にかかわらず注意が必要だといえます。

相談者

うちだけが狙われたわけじゃないと分かって、少し気持ちが楽になりました。次から気をつけて対応してみます。

運営者:Akiko.O

一人で抱え込まないでください
不安なときほど、誰かに話すことが大切です。ご家族や、消費者ホットライン188のような相談窓口を、遠慮なく頼ってください。それだけで冷静さを取り戻せることが多いです。

まとめ|件数を知ることが、最初の防御になる

「屋根が浮いています」という言葉に不安を感じるのは自然なことです。ですが、それはあなたの家だけの問題ではなく、全国的に増えている手口の一つです。

点検商法の相談件数は、国民生活センターの資料によれば2023年から2025年にかけて増加を続けています。給湯器の点検を口実にしたトラブルは70歳以上を中心に急増しており、訪問販売型のリフォーム工事そのものは減少しています。

手口が移り変わっているという事実を知っておくだけで、いざというときの落ち着きが違います。

契約を急がせる相手には、その場で決めない。これがもっとも確実な防御です。

参考・出典

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