葬儀の見積もりをもらって安心していたのに、終わってみたら請求が思ったより高かった。こうした「料金」の相談は、毎年たくさん寄せられています。
葬儀の相談の、およそ半分は「料金」のこと
※国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」(2026年6月3日公表)の数字。全国の消費生活センター等に寄せられた相談。
見積もりから増えやすいのは、料理と返礼品、つまり「人数で動く費用」です。
この記事では、葬儀社の現場の担当者の話をもとに、見積もりから増えやすい費用と、増やさないための人数の伝え方、見積書の「一式」の確かめ方、2社の見積もりの比べ方をまとめました。
見積もりより増えやすいのは「人数で動く費用」
葬儀の費用は、大きく3つに分けると考えやすくなります。
葬儀の費用は「動かない」「人数で動く」「日数で動く」の3つ
- プラン(式の形)
- 祭壇・棺・骨壺
- 火葬料・斎場の使用料
- 通夜振る舞い(お通夜の料理)
- 精進落とし(告別式のあとの会食)
- 返礼品・会葬礼状
- ご安置の日数分
- ドライアイス
※呼び方や、どこまでをプランに含めるかは葬儀社によって違います。
祭壇や棺、火葬料は、見積もりの段階でほぼ決まります。いちばん増えやすいのは、通夜振る舞い・精進落とし・返礼品のように、来る人数で金額が決まる費用です。人数を読み違えると、とても上がってしまいます。
お通夜の料理は「来る人数の6〜7割」で足りることが多い
お通夜の料理(通夜振る舞い)は、来る人数分を100%用意するわけではありません。現場の目安では6〜7割。100人来るなら、60〜70人前くらいです。
参列が100人見込みのとき、料理は何人前?(現場の目安)
※現場の担当者の経験による目安です。地域の習わしや、親族と一般の参列の割合で変わります。精進落としは、席に着く人数で数えます。
お通夜の料理は大皿から取り分けるので、少し足りなくてもなんとかなります。料理屋さんのスタッフが、盛り付けを詰めて対応してくれることも多いです。
精進落としは1人1セット。ここの人数を詰める
告別式のあとの会食(精進落とし)は、1人1セットで用意します。足りないと困るので、人数の誤差を一番小さくしたいのはここです。席に着く人数を、早めに確かめておきましょう。
料理・返礼品の人数の伝え方
| 項目 | 何人分で伝えるか | ずれたとき |
|---|---|---|
| 通夜振る舞い | 来る人数の6〜7割 | 大皿の料理を取り分けるので、少し足りなくても料理屋さんのスタッフが盛り付けを詰めて対応してくれることが多い |
| 精進落とし | 席に着く人数ちょうど | 1人1セットなので、足りないと困る。人数の誤差を一番小さくしたいのはここ |
| 返礼品 | 見込みの人数 | 余った分を返せるか、先に聞いておく |
PRプランに何が含まれているか、どこから別料金かは、資料で先に確かめられます(広告主の案内による)。
ご安置が延びると、日数分の費用がかかる
火葬場の空きを待つあいだ、ご安置の日数が延びると、その日数分の費用やドライアイス代がかかります。1日あたりの金額は葬儀社によって違うので、見積もりのときに「1日延びたら、いくら増えますか」と聞いておくと安心です。
火葬場が混んでいる地域では、数日待つこともあります。住んでいる市の斎場を使えるかどうかでも費用が変わるので、「火葬料は「市民かどうか」で最大6倍違う」もあわせてご覧ください。
見積書の「一式」は、やりたいことが入っているかで確かめる
「直葬一式」「1日葬一式」「家族葬一式」。見積書にはよくある書き方です。一式という書き方そのものが悪いわけではありません。ただ、何が含まれているかは、葬儀社によって違います。
同じ「家族葬一式」でも、中身は葬儀社で違う(例:六文銭)
六文銭はプランに入っている
→追加の費用はなし
六文銭は別料金
→頼むと追加になる
※わかりやすくするための例です。名前が同じ「一式」でも、含まれるものは葬儀社ごとに違います。
たとえば「六文銭を棺に入れたい」と思ったとき、プランの中に用意している葬儀社もあれば、別料金になる葬儀社もあります。やりたいことと費用が、一式にひもづいているかを確かめましょう。
見積書の「一式」は、この順で確かめる
- 1やりたいことを書き出す
例:六文銭を棺に入れたい、自宅の前を通ってほしい、など▼ - 2「一式」に入っているか聞く
「○○は、この一式に入っていますか?」と1つずつ▼ - 3入っていなければ金額を聞く
別料金なら、いくらかかるか▼ - 4見積書に書いてもらう
口で聞いただけにせず、明細に1行で入れてもらう
見積書の項目を1つずつ確かめたいときは、「見積書チェッカー」も使えます。
打ち合わせで勧められやすいのは祭壇
打ち合わせで上のグレードを勧められやすいのは、祭壇、特に花祭壇です。棺や骨壺は「どうせ燃やす」という思いがあるので、家族がお金をかけたがらないことが多く、話が祭壇に集まりやすいのです。
打ち合わせで上のグレードを勧められやすいもの
| もの | 頻度 | 理由 |
|---|---|---|
| 祭壇(花祭壇など) | いちばん多い | 式の見た目が大きく変わるので、話が出やすい |
| 棺・骨壺 | 少なめ | 「どうせ燃やす」という思いがあり、家族がお金をかけたがらないことが多い |
いらないときは、遠回しに言うより「お金をかけたくないので、不要です」と言い切るのがいちばん伝わります。
予算は、最初に伝えてかまわない
「最初に予算を言うと、そこまで使われるのでは」と心配する方もいます。でも、予算は言ってかまいません。
予算は、最初に伝えてかまわない
「○○万円まで」とだけ伝えるより、「この中で全部」と範囲を決めて頼むほうが確実。
大事なのは伝え方です。「総額○○万円で、この中で全部プランを組んでください」と頼めば、その範囲で組むしかなくなります。
2社を比べるときは「お葬式の中身」をそろえる
見積もりを2社から取ったら、総額だけでなく中身をそろえて比べます。料理や返礼品の単価は、葬儀社によって大きくは変わりません。比べるべきは、お葬式で何をするか、プランに何が入っているかです。
2社の見積もりを比べるときは「お葬式の中身」をそろえる
| 必ずそろえて比べる | 差が出にくい |
|---|---|
| 式の形(直葬・1日葬・家族葬など)と日数 | 料理の1人前の値段 |
| 祭壇・棺・骨壺のグレード | 返礼品の1個の値段 |
| ご安置の日数・ドライアイス | 会葬礼状 |
| 搬送(回数・距離) | |
| 斎場・火葬場の費用が入っているか |
※現場の担当者の経験では、料理や返礼品の単価は葬儀社によって大きくは変わりません。比べるべきは、プランに何が入っているかです。
広告に出ている「〇〇万円〜」と、実際の総額の違いについては「「葬儀〇〇万円〜」は何の金額か」で説明しています。だいたいの総額を先に知りたいときは「葬儀費用シミュレーター」で試算できます。
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削る前に「やりたいこと」を決めておく
追加の費用を抑えることは大切です。でも、ご家族が後で一番後悔するのは、お金のことより「ああしておけばよかった」ということです。
現場の担当者は、納棺師による古式湯灌をおすすめして、半信半疑だったご家族から「すごく良かった」と言われることが多いそうです。お金をかけるところと、かけないところ。先にやりたいことを決めておけば、見積もりを見たときに迷わずに済みます。
現場の担当者から
葬儀社の現場の担当者に、見積もりと追加の費用について聞きました。
- 増えやすいのは、料理・返礼品・おもてなしの費用 人数を読み違えると、とても上がってしまいます。
- 料理は、来る人数分を100%用意するわけではない お通夜の料理は、だいたい6〜7割分。100人来るなら60〜70人前くらいです。お通夜は究極、足りなくてもなんとかなります。料理屋さんのスタッフが、うまく詰めてくれたりもします。大事なのは、告別式のあとの精進落としの人数の誤差を小さくすることです。
- 「一式」は、何が含まれているか聞き直す 直葬一式、1日葬一式、家族葬一式。ありがちな書き方ですが、たとえば「六文銭を入れたい」と思ったとき、プランの中に用意している葬儀社もあれば、別途になる葬儀社もあります。やりたいことと費用が一式にひもづいているかは、確認するべきです。
- 勧められやすいのは祭壇 棺や骨壺は「どうせ燃やす」という思いがあるので、やっぱり祭壇、花祭壇になると思います。断るなら「お金をかけたくないので不要です」と言い切ってしまうしかないですね。
- 予算は言ってもいい 「この中ですべてプランニングしてくれ」と言えば、それでしかないので。
- 2社を比べるなら、お葬式の内容をそろえる 料理や返礼品はそんなに大差ないと思うので、お葬式で行う内容、プランを比べたほうがいいです。
- 一番の後悔は、やらなかったこと 家族の後悔は、追加費用に限らず「ああしておけばよかった」という思いから生まれます。私も、納棺師による古式湯灌をおすすめして、半信半疑だったご家族から「すごく良かった」と言われることが多いです。やらない後悔より、やって後悔したほうがいいと思います。
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「一式」に何が入っているか、資料で先に確かめておく
いざというときの打ち合わせは、時間も気持ちの余裕もありません。プランの中身と金額が書かれた資料が手元にあれば、見積もりを見たときに「何が入っていて、何が別料金か」を落ち着いて比べられます。
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よくある質問
まとめ|増えるのは料理と返礼品。「一式」の中身を確かめる
葬儀の見積もりから増えやすいのは、料理と返礼品などの人数で動く費用です。お通夜の料理は来る人数の6〜7割、精進落としは席に着く人数ちょうどで伝えましょう。
見積書の「一式」は、やりたいことが入っているかを1つずつ聞き、別料金なら明細に書いてもらいます。2社を比べるときは、総額だけでなくお葬式の中身をそろえてください。
見積もりの前に、これだけ確かめる
- ☐ 予算を「この中で全部」と伝えた
- ☐ 通夜振る舞いは6〜7割、精進落としは席に着く人数で伝えた
- ☐ やりたいことが「一式」に入っているか聞いた
- ☐ 安置が1日延びたらいくらか聞いた
- ☐ 返礼品が余ったら返せるか聞いた
- ☐ 見積書を受け取り、明細を家族と一緒に見た
無料・10の質問・約2分・名前の入力なし
あなたの「葬儀のそなえ」は何点?
「はい・いいえ・わからない」で答えるだけで、いまの準備の進み具合が点数で分かります。点数に合わせて、次に読んでおきたい記事もご案内します。
葬儀そなえ度チェックをはじめる参考・出典
- 国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-」2026年6月3日公表 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260603_2.html

