身内が亡くなると、役所からの案内に追われます。死亡届を出したら、マイナンバーカードも返すものだと思い込んでいませんか。
実はこれ、必須の手続きではありません。むしろ急いで返してしまうと、あとで困る場面があります。


死亡届を出したときに、窓口で「マイナンバーカードはお持ちですか」と聞かれました。返さないといけないものだと思っていたのですが、違うのでしょうか。
誤解その1|「死亡届を出したら返納が必要」は正しくない
佐世保市のホームページには、はっきりと「死亡された方のマイナンバーカード、通知カードの返納は必要ありません」と書かれています(佐世保市「マイナンバーカードや通知カードを受取リ後に死亡された場合」2024年7月26日更新)。
神戸市のよくある質問にも、同じ内容があります。「マイナンバーカードの所有者が死亡した場合、マイナンバーカードは返還しなければなりませんか」という問いに対し、「返還の必要は、ありません」と答えています(神戸市FAQ 公開日2024年10月31日)。
返納を一律に求めている案内は、少なくとも今回確認した3つの自治体のいずれにも見当たりませんでした。


誤解その2|京都市も「必ず返却」とは言っていない
京都市の案内は、少し表現が異なります。「所要の手続きを終えられ、ご不要の場合は」返却するようにという書き方です(京都市「死亡時のマイナンバーカードの取扱いについて」)。
そのうえで、「死亡届が提出されますと、自動的にマイナンバーカードは失効します」と説明しています。つまりカードそのものは、持っていても機能を失った状態になるということです。
さらに京都市は「公的手続以外にも故人のマイナンバーカードが必要な場合は、ご返却いただかなくても結構です」とも書いています。返すか返さないかは、遺族の判断に委ねられているのです。
なぜ自治体で案内が割れているように見えるのか
3つの自治体を並べると、表現の強さに違いがあります。しかし共通している点が一つあります。それは「返納を強制する決まりではない」ということです。
京都市は「不要なら返却、必要なら返却しなくてよい」という柔軟な案内です。佐世保市と神戸市は、さらに踏み込んで「返納は必要ありません」と明言しています。
この違いは、自治体ごとの案内文の書き方の差であって、制度そのものが自治体によって異なるという話ではありません。ただし細かな運用は自治体によって異なりますので、気になる場合はお住まいの市区町村の窓口に確認してください。
佐世保市が示している理由は明快です。「相続等の手続きにおいて、死亡された方のマイナンバーが必要になることがあります」という点です。だからこそ「諸手続きが終わるまでは保管し」てよい、という案内になっています。
図:自治体ごとの案内の違い
| 自治体 | 返納についての案内 |
|---|---|
| 京都市 | 死亡届で自動失効。不要なら返却、必要なら返却不要 |
| 佐世保市 | 返納は必要ありません。相続手続きのため保管可 |
| 神戸市 | 返還の必要は、ありません |



見落とされやすい点
窓口で「カードはお持ちですか」と聞かれると、反射的に出してしまう方が多いようです。でも相続の書類で故人のマイナンバーの記載を求められることがあります。手元にカードがあれば、そこですぐ確認できます。処分する前に、相続の手続きが全部終わっているか、一度立ち止まって確認してみてください。
読者が取れる具体策|返す前に確かめること
まず押さえておきたいのは、死亡届を出した時点でカードの効力はすでに失われているということです。京都市の案内のとおり、死亡届の提出により自動的に失効します。
効力を失ったカードを、わざわざ急いで返す義務はありません。相続の手続きが残っているなら、手元に置いておいて構わないのです。
返すかどうかを決める前に、次の点を確かめておくと安心です。
図:カードを返す前の確認リスト
- 相続に関わる手続きが、すべて終わっているか
- 金融機関や法務局から、故人のマイナンバーの記載を求められていないか
- 返納を希望する場合、窓口がどこになるかをお住まいの自治体に確認したか
- 返納しない場合、保管場所を家族で共有しているか
- 不要になった段階で、どう破棄するかを決めているか
返納を希望する場合の窓口は自治体によって異なります。京都市は各区役所・支所のマイナンバーカード交付コーナーやマイナンバーカードセンターです。佐世保市は、返納を希望すれば市役所窓口で回収するとしています。迷ったときは、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせるのが確実です。
よくある質問


急いで返さなくてもいいと分かって、少し安心しました。相続の手続きが落ち着くまで、手元に置いておこうと思います。



最後に
カードを慌てて窓口に出す必要はありません。すべての手続きが終わってから、保管するか処分するかをゆっくり決めてください。それで何も問題ありません。
まとめ|返すかどうかは、遺族が決めてよい
死亡届を出すとカードは自動的に失効します。しかし返納するかどうかは、自治体の案内を見るかぎり、一律に求められているものではありません。
京都市は不要なら返却、必要なら返却不要という柔軟な立場です。佐世保市と神戸市は、返納そのものが不要だと明言しています。
相続の手続きで故人のマイナンバーが必要になる場面があります。慌てて返すのではなく、諸手続きが終わってから判断しても遅くありません。詳しい取り扱いは自治体によって異なりますので、不明な点はお住まいの市区町村の窓口に確認してください。
無料・10の質問・約2分・名前の入力なし
4つの分野で、いまの「そなえ」を点数にしてみませんか
気になる分野から1つ選んでください。「はい・いいえ・わからない」で答えるだけで、準備の進み具合と、次に読んでおきたい記事が分かります。
参考・出典
- 京都市「死亡時のマイナンバーカードの取扱いについて」 https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000326965.html
- 佐世保市「マイナンバーカードや通知カードを受取リ後に死亡された場合」2024年7月26日更新 https://www.city.sasebo.lg.jp/siminseikatu/koseki/mynakadosibou.html
- 神戸市FAQ「マイナンバーカードの所有者が死亡した場合、マイナンバーカードは返還しなければなりませんか。」公開日2024年10月31日 https://faq.city.kobe.lg.jp/faq/show/1601?site_domain=default

