この記事のポイント
- 墓誌とは、お墓に埋葬された故人の戒名・俗名・没年月日などを刻んだ石板のこと。
- 墓誌の設置は義務ではないが、家族や子孫が先祖の記録を一覧できる利便性が高い。
- 彫刻費用の目安は1名あたり3万〜5万円程度で、追加彫刻のタイミングや依頼先の確認が重要。
墓誌の役割と基本的な特徴
墓誌が設置される理由
お墓には、墓石の正面に家名や宗派の文言を刻むのが一般的です。しかし、埋葬された全員の情報を墓石本体に刻むと、スペースが足りなくなることがあります。
そこで、墓誌を別途設けることで、埋葬者の情報を一覧できるようにします。家族の人数が増えるほど、墓誌の役割は大きくなります。
墓誌に刻まれる内容
墓誌に刻む項目は、宗派や石材店によって異なりますが、一般的には以下の内容が記されます。
- 戒名(仏教の場合)または俗名
- 没年月日(和暦または西暦)
- 享年(数え年または満年齢)
- 俗名(戒名と合わせて記載することが多い)
神道の場合は「諡号(おくりな)」、キリスト教の場合は洗礼名を刻むこともあります。宗派に合わせた表記を石材店に確認することが大切です。
墓石本体との違い
墓石本体には「〇〇家之墓」「南無阿弥陀仏」など、家や宗派を象徴する文言を刻むのが主流です。一方、墓誌は個々の埋葬者の記録を残すための石板という位置づけです。
墓誌は墓石の横や後方に設置されることが多く、板状または柱状の形が一般的です。スペースに応じて縦書きまたは横書きで刻まれます。
墓誌の費用と彫刻のタイミング
設置・彫刻の費用目安
墓誌の費用は、大きく「石板本体の費用」と「彫刻費用」に分かれます。それぞれの目安は以下のとおりです。
- 石板本体:3万〜15万円程度(石の種類・サイズによる)
- 初回の彫刻費用:1名あたり3万〜5万円程度
- 2名目以降の追加彫刻:1名あたり2万〜4万円程度
石の種類によって価格は大きく変わります。国産の高級石は費用が上がり、輸入石材は比較的安価に抑えられます。
彫刻を依頼するタイミング
納骨の際に、墓誌への彫刻を同時に依頼するケースが最も多いです。四十九日法要に合わせて納骨を行う場合は、法要の2〜3週間前までに石材店へ依頼しておくと安心です。
彫刻が間に合わない場合、納骨だけ先に行い、後日彫刻することも可能です。石材店によって対応が異なるため、早めに確認することをおすすめします。
注意すべきポイント
墓誌の彫刻を依頼できる先は、基本的にそのお墓を管理する石材店です。他の業者に依頼できないケースもあるため、事前に確認が必要です。
また、改葬(お墓の引っ越し)や墓じまいを検討している場合、墓誌の扱いについても石材店や菩提寺に相談しておくことが大切です。
墓誌を設置するメリットと注意点
設置するメリット
墓誌を設置することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
- 埋葬された全員の情報を一覧で確認できる
- 先祖の記録が石に刻まれるため、半永久的に残る
- 墓石本体のスペースを有効に活用できる
- 家系図の代わりとして、子孫が先祖をたどる手がかりになる
特に代々続く家のお墓では、墓誌があることで家族の歴史を振り返る場としての役割も果たします。
設置時の注意点
墓誌は設置が義務づけられたものではありません。墓地の規約によっては、設置できるサイズや素材に制限がある場合もあります。
また、スペースが限られている区画では設置が難しいこともあります。墓地管理者や石材店に事前に確認することが重要です。
関連する用語
墓誌と合わせて知っておきたい用語として、墓石・納骨・永代供養・塔婆・永代使用権などがあります。お墓の購入や管理に関わる手続きを理解するうえで、これらの用語もあわせて確認しておくと、終活の計画がよりスムーズに進みます。

