区民葬・市民葬という上限価格つきの葬儀|自治体が値段表を持っている

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身内を亡くしたばかりで、葬儀の見積もりを前に不安を感じている方も多いと思います。これは不幸な話ではなく、実は知っておくと安心できる制度の話です。自治体が公表している価格表を知っているかどうかで、見積もりへの向き合い方が変わります。

相談者

葬儀社から見積もりをもらったのですが、これが高いのか安いのか、比べる相手がなくて分からないんです。相場の記事を見ても、平均額しか書いていなくて。

目次

誤解その1|「葬儀の値段は市場に任されている」は正しくない

葬儀費用は民間の自由な取り決めで決まる、と思われがちです。しかし東京23区には「区民葬儀」という制度があります。台東区と新宿区のホームページによると、全東京葬祭業連合会に加盟する取扱指定店が、23区共通の協定料金で葬儀を行う仕組みです。

台東区ホームページ(2025年4月1日更新)によると、祭壇料金はA1券(金らん5段飾・桐張棺)が312,180円、C券(白布2段飾・プリント棺)が100,100円です。火葬料金は大人59,600円、小人(満6歳以下)は34,500円と定められています。

この金額は民間火葬場(戸田葬祭場・多磨葬祭場・谷塚斎場)を利用する場合のものです。

新宿区ホームページ(令和7年4月1日現在)でも同じ金額が示されており、23区で統一された協定料金であることが分かります。

市区町村の窓口で書類を提出している様子

誤解その2|「区民葬儀券をもらえば、どの葬儀社でも安くなる」は違う

区民葬儀券は、どの葬儀社でも使えるわけではありません。台東区ホームページによると、区民葬儀は「取扱指定店以外ではご利用いただけません」とされています。区役所へ死亡届を提出する際に窓口で券を請求し、指定店に申し込んで初めて使える制度です。

また、祭壇料金・霊柩車運送料金・火葬料金・遺骨収納容器代の4項目だけが協定料金であり、遺影写真、会葬礼状、生花、斎場使用料などは含まれません。これらは別途、取扱指定店に相談する必要があります。

なぜ自治体が定価表を持つのか|制度の成り立ちを見ておく

区民葬儀は「葬儀費用の負担軽減などの区民要望にお応えするため」に、業界団体と自治体が協定を結んで作られた制度です。台東区・新宿区のホームページに、この趣旨が明記されています。あくまで協定であり、法令で強制された価格ではありません。

多摩市の「市民葬」も、成り立ちは似ています。多摩市ホームページによると、市民葬は「市民の経済的負担を軽減するために、葬儀業者の協力により定めた」ものです。葬祭料は利用区分ごとにA〜Eまで分かれ、Aの三段金襴(木棺を含む)は116,820円、Eの彫刻祭壇(木棺を含む)は550,000円とされています。

多摩市の火葬料金は、火葬場によって扱いが大きく変わります。多摩市ホームページによると、南多摩斎場(公営)は死亡者が八王子市・町田市・多摩市・稲城市・日野市のいずれかの市民であれば無料です。

一方、多磨葬祭場(民営)は大人の最上等が72,000円と定められています。同じ市民葬という制度の中でも、どの斎場を使うかで金額の構造がまったく違うことが分かります。

図:区民葬儀・市民葬の主な料金の違い(一次情報より)

制度 項目 金額
区民葬儀(台東区・新宿区) 祭壇A1券(桐張棺) 312,180円
区民葬儀(同上) 祭壇C券(プリント棺) 100,100円
区民葬儀(同上) 火葬料金(大人) 59,600円
市民葬(多摩市) 火葬・南多摩斎場(公営・5市民) 無料
市民葬(多摩市) 火葬・多磨葬祭場(民営・成人最上等) 72,000円
運営者:Akiko.O

見落とされやすいのは「含まれていないもの」です
区民葬儀も市民葬も、協定料金として決まっているのは祭壇や火葬など限られた項目だけです。遺影写真や会葬礼状、斎場使用料、ドライアイスなどは別途必要になります。台東区や新宿区のホームページにも、その点がはっきり書かれています。見積もりを見るときは、この協定部分とそれ以外を分けて確認するとよいと思います。

読者が取れる具体策|死亡届の窓口で確認できること

区民葬儀を利用したい場合、台東区・新宿区のホームページによると、まず区民葬儀取扱指定店に直接申し込みます。そのうえで、区役所へ死亡届を提出する際、窓口で区民葬儀券を請求します。受け取った券に必要事項を記入し、申し込んだ指定店に渡す、という順番です。

多摩市の市民葬も同様に、市民葬指定取扱店へ直接申し込む方式です。どちらの制度も、利用できるかどうかは「亡くなった方、または葬儀を行う方の住所」で決まります。台東区・新宿区は23区内在住、多摩市は多摩市内在住が条件です。

自分の状況が対象になるかどうかは、自治体によって異なりますので、死亡届を出す窓口で確認するとよいでしょう。

また台東区・新宿区のホームページには、令和8年4月開始の「区民葬儀における火葬費用の一部を助成する」特別区共通制度についても記載があります。区民葬儀を利用し、特別区が指定する民間火葬場を利用した方が対象とされています。対象となる火葬場や助成の内容は、各区のホームページで確認できます。

よくある質問

区民葬儀や市民葬は、どこの葬儀社でも利用できますか。

いいえ。台東区ホームページによると、区民葬儀は「取扱指定店以外ではご利用いただけません」とされています。多摩市の市民葬も、指定取扱店への申込みが前提です。利用したい場合は、各自治体のホームページで指定店の一覧を確認してください。

区民葬儀の料金には何が含まれていますか。

台東区・新宿区のホームページによると、祭壇料金(御寝棺含む)、霊柩車運送料金、火葬料金、遺骨収納容器代の4項目が協定料金です。遺影写真、会葬礼状、生花、斎場使用料などは含まれておらず、別途取扱指定店に相談する必要があります。

多摩市の市民葬で、火葬料金が無料になるのはどんな場合ですか。

多摩市ホームページによると、南多摩斎場(公営)を利用する場合、死亡者が死亡時に八王子市・町田市・多摩市・稲城市・日野市のいずれかに住民登録をしていれば火葬料は無料です。それ以外の方は有料になります。民営の多磨葬祭場では、大人の最上等が72,000円と定められています。

相談者

指定店の連絡先や条件は、区役所に行けば分かるということですね。少し安心しました。

運営者:Akiko.O

まずは死亡届の窓口で聞いてみることです
台東区や新宿区、多摩市のホームページには、指定店の一覧や利用方法が掲載されています。死亡届を出す際に窓口で区民葬儀券や市民葬について尋ねれば、その場で案内を受けられます。加入している保険や住んでいる自治体によって扱いが異なりますので、まずは確認から始めてみてください。

まとめ|相場ではなく、自治体の価格表を先に見る

葬儀費用は民間の平均値だけで語られがちですが、台東区・新宿区の区民葬儀や、多摩市の市民葬のように、自治体が公表している定価表が存在します。祭壇料金や火葬料金など、協定料金として決まっている部分と、そうでない部分を分けて見ることが大切です。

これらの制度は、亡くなった方や喪主の居住地によって利用できるかどうかが変わります。自治体によって異なりますので、まずは死亡届を提出する窓口で、区民葬儀券や市民葬について確認してみてください。

参考・出典

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