この記事のポイント
- 埋葬とは、遺体や遺骨を土中や墓所に納める行為であり、日本では火葬後の遺骨を墓地に納める方法が主流である。
- 埋葬を行うには法律上のルールがあり、「墓地埋葬法」に基づいて届出や許可が必要となる。
- 埋葬の方法は時代とともに多様化しており、樹木葬や散骨など、従来の墓への納骨以外の選択肢も広まっている。
埋葬(まいそう)とは、亡くなった人の遺体または遺骨を、一定の場所に納めて葬ること全般を指す言葉である。日本では現在、火葬によって遺骨となった後に墓地へ納骨する形が一般的な埋葬の流れとなっている。広義には土中に直接遺体を埋める土葬も含まれるが、現代の日本においてはほぼ火葬後の埋葬が標準となっている。
埋葬の意味と法律上の位置づけ
埋葬という言葉は日常的に「お墓に入ること」を指す意味で使われることが多い。しかし法律的な定義はやや異なる。
「墓地埋葬法」(正式名称:墓地、埋葬等に関する法律)では、埋葬とは「死体を土中に葬ること」と定義されており、遺骨を墓地に納める行為は「納骨」として区別されている。ただし一般的な会話や葬儀の場面では、納骨を含めた広い意味で「埋葬」という言葉が使われることが多い。
本記事では、実生活において使われる広義の意味、すなわち「遺骨や遺体を然るべき場所に葬る行為全般」として解説を進める。
埋葬に必要な手続き
埋葬を行うには、法律に定められた手続きが必要となる。主な手続きは以下のとおりである。
- 死亡届の提出:亡くなった後7日以内に市区町村へ死亡届を提出する。
- 火葬許可証の取得:死亡届と同時に火葬の許可を申請し、許可証を受け取る。
- 埋葬許可証の取得:火葬場で火葬を終えると、火葬許可証に証明が記載され、これが埋葬許可証として機能する。
- 墓地管理者への提出:納骨の際に埋葬許可証を墓地の管理者へ提出する。
これらの手続きを経ずに遺骨や遺体を勝手に埋葬することは、墓地埋葬法により禁じられている。
日本における埋葬の流れ
一般的な葬儀の流れの中で、埋葬はどのように行われるかを確認しておこう。
火葬から納骨までの期間は、宗教や地域の慣習によって異なる。仏式では四十九日を目安とするケースが多いが、事情によっては数か月後に行うこともある。
埋葬の方法と種類
現代の日本では、従来の墓への納骨に限らず、さまざまな埋葬の方法が認知されるようになった。主な種類を整理する。
- 一般墓への埋葬:寺院や公営墓地、民営墓地に建てた墓石の下に遺骨を納める、最も伝統的な方法である。
- 樹木葬:樹木や草花を墓標として、その根元や周辺に遺骨を埋葬する方法である。自然に還る感覚が支持されている。
- 散骨:遺骨を粉末状にして海や山などに撒く方法である。法律上は墓地埋葬法の規制外となるが、各自治体のルールに従う必要がある。
- 永代供養墓への埋葬:墓の継承者がいない場合に、寺院や霊園が長期にわたって管理・供養を引き受ける形の埋葬である。
- 納骨堂への埋葬:屋内の施設に遺骨を納める方法で、都市部で増加している。
どの方法を選ぶかは、家族の意向や宗教的背景、費用、後継者の有無などによって判断することが大切である。
埋葬にかかる費用と時期の目安
費用の目安
埋葬にかかる費用は、選ぶ方法や地域によって大きく異なる。主な目安は以下のとおりである。
- 一般墓:墓石の購入費・永代使用権・工事費を含めて50万〜200万円以上かかることが多い。
- 樹木葬:10万〜80万円程度と、一般墓より比較的安価な傾向がある。
- 永代供養墓:5万〜100万円程度と幅があり、合祀か個別かによっても異なる。
- 散骨:業者に依頼する場合は5万〜20万円程度が目安となる。
埋葬(納骨)を行う時期
仏式では四十九日法要のタイミングで納骨を行うのが一般的である。ただし、明確な期限が法律で定められているわけではなく、百箇日や一周忌に合わせる家庭もある。
遺骨は自宅で一定期間手元に置いておくことも可能である。ただし長期間手元に置く場合は、適切な保管場所と湿気対策が必要となる。
関連する用語
埋葬を理解するうえで、あわせて知っておきたい用語がある。遺骨を墓地に納める「納骨」は埋葬と密接に関連する手続きであり、墓所の管理や承継に関わる「墓地」や「墓守」も重要な概念である。また、お墓を別の場所に移す「改葬」や、お墓を撤去・整理する「墓じまい」も、埋葬後の選択肢として近年注目されている。終活を考える際には、これらの用語をあわせて確認しておくことをおすすめする。

