この記事のポイント
- 互助会とは、毎月少額の掛け金を積み立てて、将来の葬儀や冠婚葬祭費用に備える前払い式の仕組みである。
- 互助会には解約時の手数料や利用できる葬儀社の制限など、加入前に確認すべき注意点がある。
- 互助会と葬儀保険・一般の葬儀社との違いを理解したうえで、自分に合った備え方を選ぶことが大切である。
互助会(ごじょかい)とは、会員が毎月一定額の掛け金を積み立て、将来の葬儀や結婚式などの冠婚葬祭サービスを受けられる仕組みのことである。「前払式特定取引」として経済産業省の許可を受けた事業者が運営しており、積み立てた掛け金をもとにサービスを提供する点が大きな特徴である。
互助会の仕組みと特徴
加入から利用までの流れ
互助会に加入すると、毎月一定額(一般的には1,000円〜3,000円程度)を積み立てていく。一定の積立金額に達した時点で「満期」となり、葬儀や式典のサービスが受けられる権利が生まれる。
満期前であっても、葬儀が必要になった場合は積立済みの金額を利用してサービスを受けることができる。ただし、積立が完了していない場合は残りの金額を別途精算する必要がある。
利用できるサービスの内容は互助会ごとに異なるが、主に以下のものが含まれることが多い。
- 葬儀の祭壇・式場の使用
- 棺や骨壺などの基本的な備品
- 司会・スタッフの手配
- 搬送・安置サービス
- 遺影写真の作成
互助会の法的な位置づけ
互助会は「割賦販売法」に基づく前払式特定取引業として、経済産業大臣の許可が必要な事業である。許可を受けた事業者は、受け取った掛け金の一部を「保全」として供託または信託することが義務づけられている。
これにより、万が一互助会が倒産した場合でも、積み立てた掛け金の一部が返還される仕組みが整っている。保全割合は法令上50%以上が求められている。
互助会のメリットと注意点
加入するメリット
互助会に加入することで得られる主なメリットは以下のとおりである。
- 少額の積み立てで葬儀費用を分割して準備できる
- 急な葬儀が発生しても、まとまった現金を用意しなくてよい
- 会員割引や優待サービスを受けられる場合がある
- 積立金が貯まるため、費用の見通しが立てやすい
加入前に確認すべき注意点
互助会にはメリットだけでなく、いくつかの重要な注意点がある。加入前に必ず確認しておくことが望ましい。
- 解約手数料が発生する:途中解約の場合、積立金の全額が戻らず、手数料が差し引かれることが多い。
- 利用できる葬儀社が限定される:原則として、その互助会に加盟している葬儀社のみ利用できる。
- 積立金だけでは費用が足りないことがある:互助会のサービスでカバーされる範囲は限定的で、実際の葬儀では追加費用が発生することが多い。
- 引っ越しや転居で使いにくくなる場合がある:互助会はエリアごとに運営されているため、遠方への転居後は利用しにくくなることがある。
- サービス内容が変更される可能性がある:加入時と利用時でサービスの内容や条件が変わることがある。
互助会と葬儀保険・直接契約の違い
互助会と似た備え方として「葬儀保険」がある。葬儀保険は保険料を支払い、死亡時に給付金を受け取る仕組みであり、利用する葬儀社を自由に選べる点が異なる。
一方、互助会は特定の葬儀社グループとの前払い契約であるため、サービスの質や内容を事前に確認しやすいという側面もある。家族葬や一般葬など、希望する葬儀の形式に対応しているかどうかも、加入前に確認しておく必要がある。
また、互助会に加入せず葬儀社と直接契約・事前相談をする方法もある。近年は生前に葬儀の内容と費用を決めておく「事前相談」を受け付ける葬儀社も増えており、互助会以外の選択肢も十分に検討する価値がある。
費用の目安と解約時の注意
互助会の積立総額は、コースによって異なるが一般的に10万円〜30万円程度の設定が多い。月々の掛け金は1,000円〜3,000円が主流で、満期まで数年〜十数年かかる場合もある。
解約を希望する場合は、解約手数料(返戻率は互助会によって異なるが、積立額の70〜90%程度が返還されるケースが多い)を確認のうえ、書面で手続きを行う必要がある。解約手数料の基準は契約書や約款に記載されているため、必ず事前に確認することが重要である。
また、互助会の権利は家族への譲渡や引き継ぎができる場合が多い。加入者が亡くなった際に家族が利用できるかどうかも、契約時に確認しておくとよい。
関連する用語
互助会を検討する際は、あわせて火葬や一日葬といった葬儀の形式についての知識も深めておくとよい。また、将来の葬儀や相続について意思を記しておくエンディングノートの作成や、香典に関するマナーも、終活を進めるうえで関連する重要な知識である。
