この記事のポイント
- 霊柩車は故人の遺体を火葬場や墓地へ運ぶための専用車両で、葬儀の流れにおける重要な役割を担う。
- 霊柩車には「宮型」「洋型」「バン型」など複数の種類があり、地域や葬儀形態によって使われる車種が異なる。
- 霊柩車の手配は葬儀社が行うのが一般的で、費用は車種や距離によって変わる。
霊柩車(れいきゅうしゃ)とは、故人の遺体を納めた棺を安全に運ぶための専用車両のことです。葬儀式場や自宅から火葬場、または墓地へ向けて棺を搬送する際に使用されます。一般の車両とは異なる構造と許可が必要であり、使用できるのは許可を受けた事業者に限られます。
霊柩車の役割と葬儀における位置づけ
葬儀の流れの中での霊柩車
霊柩車が出発するタイミングは、出棺の儀式が終わった直後です。遺族や参列者が棺に花を納め、最後の別れを告げたあとに、棺は霊柩車へ収められます。
霊柩車の前後には、喪主や遺族が乗るマイクロバスや乗用車が続きます。この一行が連なって火葬場へ向かう光景は、葬列と呼ばれることもあります。
火葬場に到着すると、棺は炉前に安置され、火葬の手続きへと進みます。霊柩車の役割は火葬場への到着をもって完了します。
霊柩車の法的な位置づけ
霊柩車の運行は、道路運送法に基づく一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者にのみ認められています。個人が自家用車で遺体を運ぶことは法律上認められていません。
葬儀社が保有・手配するか、霊柩車専門の運送事業者に委託するかのいずれかが一般的な形態です。許可証の携行が義務づけられており、運行管理も厳格に行われます。
霊柩車の種類と特徴
宮型霊柩車
宮型霊柩車は、車両の荷台部分に神社の社殿や仏閣を模した金色の装飾を施したものです。かつては日本の葬儀で最もよく使われていた形式です。
しかし近年は、近隣への配慮や火葬場周辺の住民感情などを理由に、使用を禁止または自粛する火葬場が増えています。都市部では特に見かける機会が少なくなっています。
洋型霊柩車
洋型霊柩車は、リムジンタイプの外観を持つ車両です。外見は一般の高級車に近く、派手な装飾がないため、現在の主流となっています。
宮型に比べて目立たないため、住宅街での使用にも適しています。品位を保ちつつ、周囲への配慮もできる選択肢として広く普及しています。
バン型霊柩車
バン型霊柩車は、ワゴン車やミニバンを改造した実用的な車両です。装飾は最小限で、外見だけでは霊柩車と判別しにくいものもあります。
直葬や家族葬など、簡素な葬儀形態が増えていることで、バン型の需要も高まっています。コストが抑えられる点も選ばれる理由の一つです。
その他の搬送車両
遺体を病院や自宅から葬儀式場・安置施設へ運ぶ際に使われる車両は「寝台車」と呼ばれ、霊柩車とは区別されます。寝台車は出棺前の搬送に用いられるもので、火葬場への搬送には使用されません。
霊柩車の費用と手配の注意点
費用の目安
霊柩車の費用は、車種と搬送距離によって大きく異なります。一般的な目安は以下のとおりです。
- バン型霊柩車:10,000円〜30,000円程度
- 洋型霊柩車:30,000円〜60,000円程度
- 宮型霊柩車:50,000円〜100,000円以上
搬送距離が長くなるほど追加料金が発生する場合があります。葬儀社への見積もり段階で距離の確認をしておくことが大切です。
手配の流れと注意点
霊柩車の手配は基本的に葬儀社が行います。しかし、以下の点について事前に確認しておくと安心です。
- 利用する火葬場が宮型霊柩車を禁止・自粛対象としていないか
- 搬送先の住所と距離が見積もりに正確に反映されているか
- 葬儀社の葬儀パッケージに霊柩車費用が含まれているか、別途請求か
葬儀費用の内訳が不明瞭にならないよう、霊柩車の費用が明記された書面での確認を必ず行ってください。
関連する用語
霊柩車と合わせて理解しておきたい用語として、まず出棺があります。出棺は霊柩車が出発する直前の儀式であり、葬儀の中でも感情的に重要な場面です。また、遺体を病院から搬送する際に使われる安置や寝台車の概念、火葬場での手続きに必要な埋葬許可証についても、あわせて確認しておくことをおすすめします。さらに、移動火葬車は霊柩車とは異なる用途の車両であるため、混同しないよう注意が必要です。
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