終活で意外と後回しにされがちなのが「お金・財産の整理」です。どこに何があるか分からないままだと、残された家族が手続きに苦労します。この記事では、資産の棚卸しから財産目録の作り方までを順を追って解説します。
「どこに何があるか分からない資産」は、決して珍しくありません。10年以上入出金のない口座は「休眠預金」として毎年多額が発生し(年間1,000億円規模とされます)、相続時に家族が存在に気づけないケースが後を絶ちません。タンス預金や把握されていないネット口座も同様です。だからこそ、元気なうちの棚卸しが家族を守ります。



【現場で聞いた話】
遺品整理をしていると、通帳や保険証券が家中のあちこちから出てきて、ご家族が「どれが生きている口座か分からない」と途方に暮れる場面によく出会います。逆に、1枚の目録にまとめてあった方は、手続きが驚くほど早く終わります。財産整理は“金額”より“在り処の見える化”が肝心です。
なぜ財産の整理が必要なのか
本人しか把握していない口座や保険があると、家族が把握できず「見つからない資産」になってしまうことがあります。相続手続きをスムーズにし、家族の負担を減らすために、元気なうちの整理が大切です。
- どこに何があるか家族が把握できる
- 相続手続きが早く進む
- 不要な口座やサブスクを解約して支出を減らせる
- トラブルや紛失を防げる
棚卸ししておきたい資産の種類


財産はプラスの資産だけでなく、借入などマイナスの資産も含めて把握しておくことが重要です。代表的な項目を整理しました。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 預貯金 | 銀行・ゆうちょの口座、定期預金 |
| 有価証券 | 株式・投資信託・国債など |
| 不動産 | 自宅・土地・マンション |
| 保険 | 生命保険・医療保険・個人年金 |
| デジタル資産 | ネット銀行・証券、電子マネー、暗号資産 |
| 負債 | 住宅ローン・カードローン・借入金 |
POINT|完璧な目録より、まず「在り処メモ1枚」
いきなり全資産を正確に書き出そうとすると挫折します。まずは「どの銀行に口座があるか」「保険はどの会社か」「重要書類はどこにあるか」の“在り処”だけを1枚にメモしてください。金額や口座番号は後から十分。家族が最初に困るのは金額ではなく「そもそも何がどこにあるか」だからです。
財産目録の作り方の手順
財産目録は決まった書式はありません。家族が見て分かるように、以下の手順でまとめていきましょう。
- 通帳・保険証券・不動産の権利書などを集める
- 種類ごとに一覧表に書き出す
- 口座番号や連絡先など手続きに必要な情報を添える
- 年に1回を目安に見直して更新する



財産目録は完璧を目指さず、まずは「主要な口座と保険だけ」でも書き始めるのがコツです。書きながら不要な口座の解約も進むので、家計の見直しにもつながります。
よくある質問
財産目録に法的な効力はありますか?
財産目録そのものに法的効力はありませんが、遺言書と一緒に整理しておくと相続手続きが格段にスムーズになります。
デジタル資産はどう残せばよいですか?
IDやサービス名を一覧にしておき、パスワードそのものは別に保管する方法が安全です。ネット銀行や暗号資産は特に忘れられやすいので注意しましょう。
エンディングノートと分ける必要はありますか?
分ける必要はありません。エンディングノートの財産欄にまとめても構いませんが、金額は変動するため定期的な更新をおすすめします。
資産の探し方チェックリスト
| 探す場所 | 見つかりやすいもの |
|---|---|
| 郵便物・メール | 銀行・証券・保険の通知、サブスク請求 |
| スマホ・PC | ネット銀行、ネット証券、電子マネー、暗号資産 |
| 金庫・引き出し・仏壇 | 通帳、印鑑、保険証券、権利書、タンス預金 |
| 確定申告書・源泉徴収票 | 収入源、配当のある証券口座 |
まとめ
財産の整理は、家族の負担を減らし、自分自身の家計を見直すきっかけにもなります。まずは主要な口座と保険から書き出し、少しずつ目録を育てていきましょう。
参考・出典
- 休眠預金等活用法/預金保険機構への移管に関する各種公表資料
- 休眠預金・タンス預金と相続に関する各種解説(2024〜2026年)

